-まだ地球には、地図に書かれていない都市がある-

 

地球のどこかの海に大きな島が一つ。そこには、漁業、林業、農業などが盛んで、そこに住む住民はみんな幸せに暮らしていたという。

 

この島は「音浜島」と呼ばれ、言語は日本語、通貨は円。外国のようにドル通貨は採用していない。

 

この島の一番の特徴は資源が豊富で、島内各地からは湧水が多々あり、山からは鉱物が豊富で、木材資源も多く、漁港からは魚が大量に流通している。

 

だが、この島には一つ問題が発生していた。それは、「交通インフラの問題」だ。島内には鉄道が一切なく、道路は島内に数本あるのみ。

 

最近では燃料費が高く、現在この島でのレギュラーガソリンは1ℓあたり180円前後で推移しており、漁業界の利益は全体(約45隻)でも約3万円ほどしかなく、ハイブリッド仕様に変更するだけでも数千万はかかる。更に、現在島内に登録されている自家用車・バスは全てガソリンを用いる車両しかなく、ハイブリッド仕様や水素、電気自動車は一切存在しない。また、島内には前述のような技術が開発力不足により開発できずにいた。

 

その事実を知り、一人の男が立ち上がった。彼の名は、音浜蓮(おとはま れん)。彼は、過去にも様々な区域で開発に携わってきた。

 

ある区域では風力、風圧、水力、潮力、地熱、太陽光、バイオマスの7大武器を駆使して完全自然型発電を展開(化石系や放射能系発電所は一切使用しない)し、Co2の完全0%を図ったり、ある区域では商業、娯楽、交通、公共の4代業種が集う次世代型超大型建築物を建設したりしている。

 

そんな彼がこの区域の開発に目を付けたのは、2015年4月のことだった。社員旅行でシドニーに向かう途中、地図にない大きな島を発見したことが始まりである。彼は、世界各国の通訳を連れ、船でその島へと向かった。上陸して最初の島民に話を聞こうとしたところ、・・・なんと、その島民は日本語を話せるのであった。この島の名前と地域、言語、通貨などの情報を日本に持ち帰り、2か月に渡る検討の結果、開発できることとなった。早速開発計画を練り、コンセプトは「世界の海のオアシス」とし、多機能型大型都市を目標に開発する。

 

市長からは、これに加え次の条件が提示された。

①環境に配慮した建設法で建設する

②将来的には自動車が全て水素自動車または電気自動車に切り替えること

 

期限は15年後の2030年3月31日。音浜は、「世界でも類に見ない海の都市にする」と語る。

 

現在は鉄道やバス等その他の事業で利益を稼ぎ、計画実行へ着々と準備を進めている。